ホール効果キーボードのレイテンシーとは?その内訳を解説
8000Hzのポーリングレートが0.125msの低レイテンシーを意味すると誤解されることがあります。しかし、これは正しくありません。ポーリングレートとは、コンピューターがキーボードにキーの状態変化を問い合わせる頻度です。
たとえば、8000Hzならコンピューターは0.125msごとにキーボードへ問い合わせ、1000Hzなら1msごとに問い合わせます。
以下の例を操作してみてください。
スライダーは、キーボードがキーの押下を検知した時点を表します。進行バー上の点は、コンピューターがキーボードに問い合わせる時点を表します。バーの塗りつぶされた部分がレイテンシーです。
キーボード内の処理時間は反映されません
上の例は単純化したモデルです。キーボードがキーの押下を瞬時に検知できると仮定していますが、実際には不可能です。
スライダー自体にも幅があると考えると、レイテンシーにはスライダーの幅と塗りつぶされたバーの両方が含まれます。
このことから、ポーリングレートとキーボードのレイテンシーは直接結び付くものではなく、ポーリングレートはレイテンシーを構成する要素のひとつにすぎないことがわかります。
つまり、ポーリングレートとレイテンシーは別の概念であり、同じものとして扱うべきではありません。ポーリングレートが高くても、必ずレイテンシーが低くなるわけではありません。
ホール効果キーボードのレイテンシーの内訳
以下の各処理は、必ずしも記載順に実行されるわけではありません。
- 磁力の変化にセンサーが応答するまでの時間、つまり出力電圧が変化するまでの時間です。最も安価なセンサーを除けば、この時間は0.125msのレイテンシーを実現するために必要な時間を大きく上回ります。
- ソフトウェアとハードウェアによるフィルタリングにかかる時間です。通常、最も時間がかかる処理です。
- コントローラーが最新の電圧を検出するまでの時間です。これは技術的な方式によって大きく異なります。
- 0.01mmの分解能を実現するために必要な、複数回の電圧サンプリングにかかる時間です(0.05mm未満の分解能でも必要ですが、必要なサンプリング回数は異なります)。
- 電圧と距離の関係、キーを押した状態か離した状態か、または対応するキーコードなどをコントローラーが計算する時間です。
- 次のポーリングまでの時間です。これは前述のとおりです。8000Hzによるレイテンシーの短縮が表れるのは、この部分だけです。
- コンピューターがデータを処理する時間です。
磁力と距離の関係は直線的ではないため、キーストロークの上部では電圧変化がごく小さくなります。なぜでしょうか?
一部のホール効果キーボードでは、キーストローク上部で0.01mmの分解能を実現するために、より多くのサンプリングを行います。そのため、キーを押す位置によってレイテンシーが異なることがあります。
また、こうした微小な電圧変化では、キーボードの回路設計や部品に起因するノイズも無視できません。これを抑えるには、より複雑なフィルタリングアルゴリズムが必要となり、計算時間とレイテンシーが増加します。
当社の取り組み
当社のキーボードは、センサーノイズを低減するため、目的に合わせた回路設計と高品質で低ノイズの部品を採用しています。さらに、高性能なコントローラーと最適化したアルゴリズムを組み合わせ、処理速度を最大限に高めています。キーストローク全域で高い分解能を実現することで、押す位置によるレイテンシーの差を大幅に縮小し、または解消しました。
EDGE 80と60 V2は、性能限界に迫る操作感をユーザーに提供します。